代表的な不動産投資信託(REIT・ETF)の直近の運用状況について、「3分で分かるインデックス・ファンドの推移」を紹介していきます。
忙しい人でもこの記事を見れば、3分で現在の状況が確認できます。
資産運用の参考にしてください。
比較商品
【東証REIT(以下、J-REIT)】
- 【2556】ONE 東証REIT🔗(アセットマネジメントOne)
- 【1476】i シェアーズ コア J-REIT🔗(BlackRock ジャパン)
- 【1343】NF J-REIT🔗(野村アセットマネジメント)
- 【1488】ダイワ 上場投信-J-REIT🔗(大和アセットマネジメント)
【S&P先進国REIT、米国REIT】
- 【2515】NF S&P 先進国REIT🔗(野村アセットマネジメント)
- 【1659】i シェアーズ 米国REIT🔗(BlackRock ジャパン)
※🔗リンク先は、各運用会社のHPにジャンプします
比較内容
- REIT(=インカム資産)の現状は?
- 純資産総額
- 直近1年間の分配金、分配金利回り(税引前)
- 経費率(%)とトータルリターン(1年)
- eMAXIS Slim シリーズとの比較
※そもそもREITって何?という方は、次の記事をまず確認してくだい。
「3つのJ-REIT(東証REIT指数連動ETF)から毎月分配金を得る方法!?」🔗
まず結論
J-REIT指数連動ETF

(表1)J-REIT指数に連動するETF
※背景色は、分配月で配色しています。
J-REITは、円建てのインカム資産として、相対的に魅力的な商品です。
暴落時に仕込めた人は、高利回り+値上がり益でオイシイ利益を手にしているはず。
引き続き、ほったらかし運用を続けたいですね。
S&P先進国REIT、米国REIT

(表2)S&P 先進国REIT指数、米国REIT指数に連動するETF
【2515】は、日本を除く先進国の不動産に幅広く投資できるETFです。
【1659】は、米国の不動産に投資できるETFです。
分配利回りは、J-REITと比べ低めですが、先進国株式と比べ割安感が残っています。
参考:eMAXIS Slim J-REIT、S&P先進国REIT

(表3)eMAXIS Slim シリーズのREIT投信
参考までにeMAXIS SlimシリーズのREIT投資信託と比較します。
分配金の繰り延べ効果を期待して、ETFではなく投資信託で積み上げるという手もありますね。
(各月次レポートおよびHPより作成)
REITの現状は?
REITの現状を確認します。
J.P.モルガン アセットマネジメントHP「Guide to the Markets」から資料を引用します。

マーカーで色付けした部分を確認してください。
- 米国REIT指数:コロナ前の水準を超えて、堅調。
- J-REIT指数:コロナ前の水準に届かず、軟調。
- 割安感:株式指数と比べ、J-REIT指数、米国REIT指数ともに、相対的に割安。
利回りとリスクの確認!
REITのリスクとリターンは次のとおりです。

マーカーで色付けした部分を確認してください。
【分配金利回り】
J-REIT:3.7%
米国REIT:2.9%
【変動制(リスク、年率)】
J-REIT:19%
米国REIT:25%
- 分配利回り:比較的高リターン。
- 変動性(リスク):高リスク。
REITは、相対的に割安感あり。
資産クラスの特徴として、「ハイリスク・ハイリターン」。
といった感じですね。
純資産総額
J-REIT指数連動ETF

S&P先進国REIT、米国REIT

ファンドの設定日を考慮しても、なかなかの純資産額があります。
引き続き、定点観測していきましょう。
直近1年間の分配金、分配金利回り(税引き前)
J-REIT指数連動ETF

S&P先進国REIT、米国REIT

投資商品によって、分配金が出る時期が異なります。
そのため、分配月ごとに3色で色分けしています。
- 緑色:1月、4月、7月、10月
- 水色:2月、5月、8月、11月
- 橙色:3月、6月、9月、12月
①、②、③を1種類ずつ購入すると、「低コスト」に「毎月分配金」を得ることが可能となります。
分配金については、減配する可能性はありますが、J-REITは約3%の分配利回りを維持しています。
約20%の税金が引かれるので、実質分配利回りは2.5%程度ですね。
この利回りでも許容できるなら、引き続き積み上げていきましょう。
S&P先進国REITと米国REITの分配金利回りは?
一日本を除く先進国REIT【2515】や米国REIT【1659】では、J-REITと比べて高い分配利回りは期待できません。
税引後の実質分配利回りは、1.5%程度です。
インカム資産としては、現時点では旨味のある対象とは言えません。
投資対象の分散という意味で、我が家では【2515】を少しずつ購入していきます。
経費率(%)とトータルリターン(1年)
J-REIT指数連動ETF

S&P先進国REIT、米国REIT

【1476】i シェアーズ コア J-REITの経費率が、引き下げられました。
2022年2月より、【1476】の経費率が引き下げられ(税込)0.175% → 0.165%とJ-REITファンドの中で最安値となっています。
それ以外のファンドの経費率も、低く抑えられています。
「緑色・水色・橙色」から3種類を買いそろえるのは手間ですが、毎月分配型投資商品1本を購入するよりも低コストで保有できるのが利点です。
リターンはコントロールできませんが、コストはコントロールできます!
「長期・分散・低コスト」が資産形成では、最重要キーワードです。
直近1年トータルリターンの意味は?
トータルリターンは、税引前分配金を再投資し、値上がり益も考慮した直近1年間の(計算上の)年率リターンを示しています。
実際には、分配金は課税されるので、あくまでも目安です。
J-REIT:約3%
先進国REIT:約36%
米国REIT:約40%
同期間の株式ETFとのざっくり比較
日本株式(TOPIX):約2%(配当込み)
先進国株式(MSCIコクサイ):約26%(配当込み、円ベース、ヘッジ無し)
S&P500:約30%(配当込み、円ベース、ヘッジ無し)
J-REITは、ここ1年間軟調です。
それに対して、先進国や米国REITは、大きく上昇したことが分かります。
今後はどう推移していくか、定期的に確認していきます。
eMAXIS Slim シリーズとの比較

不動産投資信託には、株式市場を通して購入するETFと、証券会社などを通じて購入する投資信託があります。
代表的なREIT指数に連動する投資信託は次の2つです。
eMAXIS Slim シリーズ(2つ)
【eMAXIS Slim 国内REITインデックス・ファンド】
【eMAXIS Slim 先進国REITインデックス・ファンド】
直近の運用状況は次のとおり

(SBI証券HP、運用報告書から作成)
【eMAXIS Slim 国内REITインデックス・ファンド】の特徴
特徴は次のとおりです。
- J-REIT指数(配当込み)に連動を目指す。
- 投資対象は、【2556】、【1476】、【1343】、【1488】と同じ。
- 総経費率は、ETFよりも高く「0.190%」(J-REITの投資信託の中で最低水準)
- 分配金は出ない(信託財産に留保される)。
インカム資産として位置付けられているので、分配金が出ない点が気になるところ。
つみたてNISAの対象になっていないので、特定口座で購入する必要があります。
【eMAXIS Slim 先進国REITインデックス・ファンド】の特徴
特徴は次のとおり。
- S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み、円ベース)に連動を目指す。
- 投資対象は、【2515】と同じ。
- 総経費率は、ETFよりも高く「0.330%」(先進国REIT投資信託の中で最低水準)
- 分配金は出ない(信託財産に留保される)。
こちらも分配金が出ない&つみたてNISAの対象になっていない点は同じです。
REIT市場の規模が、株式市場や債券市場よりも小粒なので、キャピタルゲインをどこまで狙えるのか?という懸念点も。
我が家では、同じ指数に連動するETF【2515】を、より低コストで保有する方が好みです。
まとめ

いかがでしたか?
代表的な不動産投資信託(REIT・ETF)の直近の運用状況について、「3分で分かるインデックス・ファンドの推移」を紹介しました。
現在の状況は次のとおりです。
J-REIT指数連動ETF

S&P先進国REIT、米国REIT

REITは、相対的に割安感あり。
資産クラスの特徴として、「ハイリスク・ハイリターン」。
実質分配利回りは、J-REITで2.5%程度、S&P先進国REITで1.5%程度。
我が家では、リスク資産のうちREITについては、10~15%を維持することを目標としています。
REIT・ETFの分配金として、年間12万円(月1万円@計2,000口)を目指してコツコツ積み上げていく方針です。
この記事が、皆さんの資産形成のお役に立てれば幸いです
では、良い資産形成を!
参考記事
金融庁が公開している【つみたてNISA対象商品の一覧表】は、「カネのなる木の苗木カタログ」です。

株式インデックス・ファンドを活用した資産運用は、最適解の一つですが、過去には苦しい時期もありました。
