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【資産運用の出口戦略】定率4%引き出しのメリット・デメリットを解説。~収益率配列のリスクとその解決策~

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現代社会は、人生100年時代と言われています。

厚生労働省の統計によれば、女性の25%は95歳まで、男性でも90歳まで生きる可能性がある時代です。

そのため、私たち現役世代は、親世代よりも退職後の生活費をより多く準備する必要があります。

その手段として、毎月の収入の一部を運用すること(積立投資)が重要になります。

しかし、いざ準備した資産を活用する場合、どのように積み上げた資産を活用すればよいのでしょうか?

マメ助
マメ助

資産形成期(現役時代)は、淡々と市場インデックス・ファンドに積立投資(定額)をすればオッケーだから、資産活用期(退職後)も、同じように淡々と取り崩せば良いのかな?

でも、現役時代と同じく定額で取り崩しても良いのかな?

今回は、その【資産形成の出口戦略】について、収益率配列のリスクを考慮した方法と問題点・解決策を解説していきます。

最後までご覧になって、後悔しない資産活用方法の参考にしてください。

この記事で分かること

結論:資産活用期のより良い方法は、“定率“取り崩し

「収益率配列のリスク」を克服せよ!

シミュレーション結果

  • 資産が早く溶ける“定額”取り崩し
  • 資産が長持ちする“定率”取り崩し

資産が長持ちする“定率”取り崩しの問題点・解決方法

最後までご覧いただき、資産形成のヒントにしていただければ幸いです。

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まずは結論

資産活用期のより良い方法は、定率取り崩し

定率取り崩しが有効!

米国では、資産活用期のより良い方法がすでに認知されています。

そのきっかけが、Wiliam Bengenが1994年に発表した論文「Determining Withdrawal Rate Using Historical Data」です。

この論文では、米国の過去の株式と債券のデータを使って、30年間「取り崩しながら、運用」した場合、資産が枯渇しなかった取り崩し率を計算しています。その結論が「定率取り崩し=4%」です。

しかし、論文では「4%の定率」とされていますが、退職時点の資産残高の「一定比率」を決めて、その「一定金額」(例えば、資産3,000万円なら年間120万円)をずっと取り崩す方法です。

実は、この方法では1つだけコントロールできない不確実性(リスク)が残ります。それが「収益率配列のリスク」です。

「収益率配列のリスク」を克服せよ!

私たちの資産を運用する市場の収益率は、予測もコントロールもできない不確実性(リスク)があります。

もちろん、下の図のように長期運用すれば、市場収益率のリスクは少なくなることが知られています。

J.P.Morgan「Guide to the Markets」より引用

「収益率配列のリスク」とは?

資産活用(定率取り崩し)においては、予測できない「収益率の並び」が資産残高に大きな影響を与えます。

これを「収益率配列のリスク」といいます。

どのようなリスクなのか?

次のような場合を考えます。次の表(AさんとBさん)を比べてください。

AさんとBさんの収益の差

どちらも20年間運用した結果、

「標準偏差(リスク)=約12.3%、複利収益率(リターン)=約1.7%」

という“最終結果”は、同じです。

しかし、AさんとBさんの毎年の「収益率の並び」が異なります。

Aさんは、前半に上げ相場に、後半は下げ相場に遭遇。

Bさんは、前半に下げ相場に、後半に上げ相場に遭遇。

最終結果は2人とも同じ「リスク=約12.3%、リターン=約1.7%」

このような結果になるのは、AさんとBさんが受けた毎年の「収益率の並び」を逆にしているからです。

もちろん、毎年の市場収益率を事前に予測することは不可能です。

マメ助
マメ助

「リスク=約12.3%、リターン=約1.7%」という想定は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用している基本ポートフォリオの標準偏差と実質リターンの数値です。

しかし、資産活用(定率取り崩し)においては、予測できない「収益率の並び」が資産残高に大きな影響を与えます。

これを「収益率配列のリスク」といいます。

では、「収益率配列のリスク」がどのような影響を与えるか、次のような条件を仮定して、具体的にシミュレーションをしていきます。

シミュレーションの前提条件

運用資産条件

  • 65歳で退職、95歳まで生存すると仮定
  • 医療や介護費用などの臨時資金は預貯金で確保済み
  • 退職後に運用を続ける資金:1,500万円
  • 運用期間:65歳~84歳までの20年間
  • 85歳~94歳は運用を終了&定額引き出し(60万円/年)
  • 85歳時点に必要な資金:600万円

家計の状況

  • 月の収入:年金のみ(65歳から受け取る)
  • 月の支出赤字額:▲4~5万円(月4~5万円を金融資産から取り崩す)

(※税金・物価上昇率は無視します)

シミュレーション結果

次のパターンで結果を解説します。

①運用なし

②運用あり(定額)

③運用あり(定率)

①運用なし

まず、運用なしで毎年60万円(月5万円)引き出したパターンです。

   

当然ながら、84歳末時点で残高は300万円となります。

これでは95歳まで資産が長持ちしないことが分かります。そのため、「運用しつつ&取り崩す」必要があるわけです。

では、次は②運用あり(定額)のパターンを確認します。

②資産が早く溶ける“定額”取り崩し:運用あり(定額)

最終結果は2人とも同じ「リスク=約12.3%、リターン=約1.7%」です。

しかし、AさんとBさんの毎年の「収益率の並び」が異なります。

Aさん(左表)は、前半に上げ相場に、後半は下げ相場に遭遇。

  • Aさんは、84歳末時点で残高:990万円
  • 95歳まで必要な資金(600万円)以上を確保!

Bさん(右表)は、前半に下げ相場に、後半に上げ相場に遭遇。

  • Bさんは、84歳末時点で残高:42万円
  • 95歳まで必要な資金(600万円)を下回っています!

これが「収益率配列のリスク」です。

マメ助
マメ助

結局、資産が長持ちするかは“市場の運用結果次第”とか、ギャンブルみたいですね。

このような「収益率配列のリスク」から資産を守るために、定率取り崩しが有効となります。

③資産が長持ちする“定率”取り崩し:運用あり(定率)

どうでしょうか?

84歳末時点の2人の資産残高を見てください。

定率取り崩しパターンでは、AさんとBさんの残高は、同じになりましたね!

定率取り崩しパターンだと、予測できない市場環境(収益率配列のリスク)に遭遇しようとも、2人とも85歳からの生活資金を確保できたことになります。

ママ助
ママ助

でも、Bさんが20年間で引き出した合計金額は、約690万円(34.5万円/年)とAさんの半分くらいだよ

65歳~84歳まで「年額48~60万円程度ほしい」っていう希望が叶わないね。

Bさんのように「運用しつつ&取り崩す」当初に下げ相場に遭遇したら、資産が長持ちしても使えるお金が減ってしまうことが分かります。

資産が長持ちする“定率”取り崩しの問題点・解決方法

課題

Bさんのように「運用しつつ&取り崩す」当初に下げ相場に遭遇すると、資産が長持ちしてもトータルで使えるお金が減ります。

この問題点を解決するためには、3つしか方法がありません。

 1. 退職後も働いて必要な分だけ稼ぐ

 2. 支出を減らす

 3. 運用金額を増やす

 

そうです。

「お金を増やす方程式」=「収入-支出+(運用金額×利回り)」そのものです。

最も現実的な対策は、稼ぐこと

今回のシミュレーションでは、AさんとBさんの合計引出額の差額は、約686万円です(1,376万円-690万円)

これを65歳から69歳の5年間で稼ぐ場合、137万円/年(月11万円)稼ぐことができれば、84歳までの生活費の不足分をカバーすることができます。

 

もちろん、どんな市場収益率を得られるか、事前に予測することは不可能です。

しかし、退職後も稼げる手段を確保しつつ、必要の応じて「運用しつつ × ゆる~く稼ぎ × 資産を取り崩す」ことができれば、安心して退職後生活を楽しむ可能性が高くなります。

マメ助
マメ助

退職後も、またいつでも稼ぐことができる環境を準備しておくこと。

やっぱりこれが重要!

まとめ

現代社会は、人生100年時代と言われています。

そのため、退職後の生活費をより多く準備する必要があります。

今回の記事では、準備した資産を活用する方法と問題点を解説しました。

この記事で解説したこと

結論:資産活用期のより良い方法は、“定率“取り崩し

「収益率配列のリスク」を克服せよ!

シミュレーション結果

  • 資産が早く溶ける“定額”取り崩し
  • 資産が長持ちする“定率”取り崩し

資産が長持ちする“定率”取り崩しの問題点・解決方法

 1. 退職後も働いて必要な分だけ稼ぐ

 2. 支出を減らす

 3. 運用金額を増やす

このうち現実的な方法は、1.退職後も稼ぐことができる環境を準備しておくこと

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30代会社員・医療技術系!
家計管理×投資エンジンをフル活用してお金の不安なく、ゆる~く・楽しく・暮らします!

モットーは「一人ひとりの幸せが、家族の幸せ!」

自家製野菜を育てる&読書&動物も大好き、家計財務の責任者!(CFO)

資産形成・家庭菜園・乗馬歴ともに10年以上!

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