【疑問解決】インデックスファンドの信託報酬の差と乗り換えの目安
毎年新しい商品が発売される投資信託。
長年、資産運用していると旧商品と新商品の「信託報酬の差」が気になりますね。
旧商品を売却して、新商品に乗り換える場合、何年くらいで運用資産額が逆転するのか、目安を知りたいです!
質問者さんの疑問にお答えしたいと思います。
今回のポイントは、「税金を払って売却&完全乗り換えした場合、何年後に運用資産が逆転するのか?」です。
この記事で分かること
信託報酬の差から完全乗り換え後に運用残高が逆転する年数は?
新商品と旧商品との乗り換えるときの注意点は?
まとめ:信託報酬の差が0.2%以内なら、売却せず放置でOK!
最後までご覧いただき、資産運用のヒントにしていただければ幸いです。
信託報酬の差から完全乗り換え後に運用残高が逆転する年数は?
結論その1
(図1)の要点は、次のとおりです。
新旧の信託報酬の差が1%場合は、
2~12年程度で運用資産額が逆転する。
新旧の信託報酬の差が0.5%場合は、
4~23年程度で運用資産額が逆転する。
結論その2
(図2)の要点は、次のとおりです。
新旧の信託報酬の差が0.2%場合は、
6~55年程度で運用資産額が逆転する。
シミュレーションの条件は?
今回のシミュレーションは、次の条件で行いました。
・旧商品で、投資元本1,000万円、含み益 X万円の合計(1,000+X)万円運用。
・乗り換え先(新投資信託)の信託報酬は、0.1%。
・売却時の含み益にかかる税金を20%。
・信託報酬控除前の期待リターンを、新旧商品ともに4%と仮定。
・運用益は再投資(非課税)。
・売却、購入に必要な手数料は無し。
「含み益の税金を払って完全に乗り換えた場合、運用残高が逆転するには何年必要か?」 をシミュレーションしました。
現在運用している投資信託の含み益(+○%)の大きさによって、逆転に必要な年数が変わってくることが分かりました。
新商品と旧商品との乗り換えるときの注意点は?
売却時の譲渡益(以下、含み益)にかかる税金です。
投資信託の含み益にかかる税金は、約20%です。
新商品は、信託報酬がより安く魅力的に映ります。
しかし、現在運用している旧商品の含み益がたっぷりある場合、旧商品を売却した際の税金は運用の足かせとなります。
ポイントは「税金を払って売却&完全乗り換えした場合、何年後に運用資産が逆転するのか?」です。
もちろん、新旧2つの異なる商品の期待リターンが全く同じ(今回は4%)ということは考えにくく、リスクを考慮していない点も注意が必要です。
しかし、信託報酬の差と、旧商品の含み益がが分かるなら、どの程度で運用資産が逆転するかの目安となります。
まとめ
新旧商品の信託報酬の差が0.2%以内なら、売却せず放置でOK!
今回は、「税金を払って売却&完全乗り換えした場合、何年後に運用資産が逆転するのか?」の考え方を紹介しました。
近年、低コストの投資信託が増えました。
旧商品から新商品の信託報酬の差が、どの程度の差であれば運用で有利なのか?は議論がつきません。
結論、現在運用している投資信託の含み益の大きさによって、逆転に必要な年数が変わってくるということです。
ここ数年は、米国株式を中心として、しっかり値上がりした商品が多いので、含み益がたっぷりある人もいるでしょう。
新旧商品の信託報酬の差が1%以上ある場合は、
11年くらいで逆転できます。
しかし、信託報酬の差が0.2%以内なら、含み益が+10%あるだけで逆転するために10年以上時間がかかります。
既に低コストの投資信託で運用されている場合、旧商品の売却はせずに、新商品の購入をすることをオススメします。
お金が必要になれば、優先的に旧商品を売却しましょう!
おすすめ書籍
インデックス運用をする場合、ぜひ読んでいただきたい書籍です。
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