【つみたてNISA対象商品で検証】株式インデックス・ファンドは、実質コストが低いとトータルリターンが高い!?
つみたてNISAを始めたよ!
でも、同じような商品がいっぱいあって、正直どれを選んだらよいか分からない!
何を基準に選んだらいいでしょうか?
今回は、この疑問にお答えします。
結論は、「実質コストが低い株式インデックス・ファンドを買う!」となります。
株式インデックス・ファンドを選ぶ目安は?
結論:「実質コストが低い、株式インデックス・ファンドを買う!」
理由:「実質コストが低いと、トータルリターンは高くなる傾向だから」
グラフを用いて、分かりやすく解説していきます!
最後までご覧いただき、資産運用のヒントにしていただければ幸いです。
同じ投資対象なら実質コストが低いファンドを買う
表1は、金融庁HP「つみたてNISA対象商品🔗」の公表データから、トータルリターンや信託報酬、実質コストなどを追加し、その一部を抜粋した表です。
トータルリターンや信託報酬、実質コストなどは、証券会社のHPから引用しました。
トータルリターンは、投資信託(ファンド)の実力を表します。
表1を見ると、同じ投資対象(例えば、1~10番までは全世界株式に投資するタイプの商品)でも、トータルリターンがバラバラです。
将来の成績は分かりませんが、「過去にどのような成績を残したのか?」を測るために、トータルリターンを確認します。
過去の成績を比べる場合、同じ投資対象ならトータルリターンが高い方が良いですよね!
そのトータルリターンの結果に、大きな影響を与える要素の一つが、信託報酬を含む「実質コスト」です。
実質コストとトータルリターンを検証することで、「何を基準に選んだらいいか?」という疑問が解消できます。
参考:実質コストって何?
ファンドには、信託報酬という初めから設定さている運用・管理経費があります。
しかし、信託報酬以外にもファンドを運用するためには、様々な経費が必要です。
その経費全体のことを「実質コスト」と言います。
【信託報酬(%)】
ファンドを運用や管理してもらうための経費
【実質コスト(%)】
信託報酬に加えて、ファンドの運用や管理にかかった総経費率
→監査費用、委託手数料など
例えば、表1の10番「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」🔗の場合、楽天証券のHPを確認すると、信託報酬は0.212%となっていますが、年1回公表される「運用報告書(第3期)」では、総経費率は0.25%と報告されています。
この総経費率は、監査費用や委託手数料などが含まれていて、「1年間運用→決算」して初めて判明する経費です。(事前には分かりません。)
しかし、コストはコスト。
コストは、トータルリターンにマイナスの影響を与えるので、しっかり確認したいですね。
各投資対象ごとに検証!
では、「実質コスト」と「トータルリターン」について、各投資対象ごとに検証します。
【検証方法】
つみたてNISA対象商品の「実質コスト」と「トータルリターン(1年)」を散布図表示。
対象は次の6つ
- 全世界株式
- 米国株式
- 先進国株(日本を除く)
- 新興国株
- TOPIX
- 日経平均
- 注:「実質コスト」は各投資信託の運用報告書から引用
- 注:「トータルリターン」はSBI証券会社のデータを引用
①全世界株式
横軸がトータルリターン(1年)、縦軸が実質コストを表しています。
両者の関係性を確認できる「近似曲線」を描くと、右下がりの直線が表示されます。
これは、「実質コスト」が低いほど「トータルリターン」が高い傾向にあることを示しています。
もちろん、対象が少ないので、今回はたまたまこうなっただけかもしれません。
同じ方法で、米国株式など次々と紹介します。
②米国株式
米国株式も同じですね。
右下さがりの直線です。
③先進国株(日本を除く)
先進国株(日本を除く)も同じく、右下がりの直線を描きます。
④新興国株
新興国株も同じく、右下がりの直線を描きます。
⑤TOPIX
日本株式(TOPIX)を投資対象とするインデックス・ファンドも同じく、右下がりの直線を描きます。
⑥日経平均
最後にもう一つの日本株式(日経平均)を投資対象とするインデックス・ファンドでも同じく、右下がりの直線を描きます。
参考:バランスファンドは?
株式インデックス・ファンドはシンプルな株式指数に連動を目指す商品です。
一方、株式だけでなく、債券やREITなど、様々な対象に投資するのがバランスファンドです。
つみたてNISA対象商品には、バランスファンドも含まれています。
ひとくくりにバランスファンドと言っても、その投資対象は商品によってまちまちであるため、実質コストとトータルリターンの散布図と近似曲線を描いても、株式インデックス・ファンドのような右下さがりの直線は描きませんでした。
バランスファンドの場合は、シンプルに語れないということですね。
まとめ
いかがでしたか?
つみたてNISA対象商品は、約190種類以上あります。
今回は、「同じような商品がいっぱいあって、正直どれを選んだらよいか分からない!」という人向けに、考え方の一つについて解説しました。
株式インデックス・ファンドを買う場合、結論は「実質コストが低い株式インデックス・ファンドを買う!」となります。
株式インデックス・ファンドを選ぶ目安は?
結論:「実質コストが低い、株式インデックス・ファンドを買う!」
理由:「実質コストが低いと、トータルリターンは高くなる傾向だから」
もちろん、対象が少ないので、今回はたまたまこうなっただけかもしれません。
しかし、株式インデックス・ファンドを選択する一つの参考にはできますね!
この結果を3年、5年と再度検証していけば、もう少し説得力のあるデータになりますね。
引き続き皆さんのお役に立つデータを紹介していきます。
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