【簡単!?】経済学的に最も正しい投資手法~現代ポートフォリオ理論について解説~
今回の記事では、1990年にノーベル経済学受賞者を輩出した「現代ポートフォリオ理論」について、簡単に解説していきたいと思います。
もちろん、私は経済学の専門家ではありませんが、この理論に基づく「経済学的に正しい投資方法」を実践するのは、誰でも簡単に実行可能です。
この記事で分かること
【経済学的に正しい投資方法】
① 全世界の時価総額加重平均に連動するファンドに投資すること。(全世界株式インデックス・ファンドに投資する。)
② 全金融資産のリスクコントロールをするには、自身のリスク許容度に合わせて、リスク資産(株式ポートフォリオ)と無リスク資産(国債や預貯金)の資産配分を決めること。
補足事項
ただし、この方法で資産を増やす場合は、「株式市場全体の期待リターンがプラス」であることが必要です。
「株式市場全体の期待リターンがプラス」とは、簡単に言うと「経済成長率がプラス」ということです。
資本主義社とは、借入金と複利の力で資本を自己増殖する活動なので、人類がこの活動を続けている限り、長期的には世界の株式市場は拡大(世界経済は成長)し、期待リターンもプラスになることが予測できます。
つまり、全世界株式インデックス・ファンドへの投資は、長期的な世界市場の拡大から資産を増やす方法と言えます。
それでは理論の概要を解説します。
私も全て理解しているわけではないので、間違っている部分があると思いますが、ご了承ください。
最後までご覧いただき、資産形成のヒントにしていただければ幸いです。
「現代ポートフォリオ理論」とは
「現代ポートフォリオ理論」とは、主に次の3人の論文(いずれもノーベル経済学賞を受賞)から導き出される、経済学的に最も正しい投資方法を証明する理論です。
1952年ハリー・マーコウィッツ氏の論文
株式のリスクと期待リターンの関係を数学的に証明。
株価がランダムに動く場合に、特定の異なる株式を複数組み合わせる(=ポートフォリオを作る)ことで、「最も低いリスクで、最も高い期待リターンを得られること」を数学的に証明しました。
業界の異なる株式を数種類組み合わせることで、資産価格の変動を控えめにしつつ、リターンは変わらないことを証明しました。
1981年ジェームズ・トービン氏の論文
リスクコントロールは無リスク資産で行うことが効果的であることを証明。
今度は、リスク資産だけでなく金融資産全体で、効果的にリスクコントロールする方法を数学的に証明した事例です。
リスク資産(株式ポートフォリオ)に無リスク資産(国債や預貯金)を組み込むことで、投資家の全資産のリスクコントロール(最も低いリスク&最も高い期待リターンを得ること)が可能になることを証明しました。
つまり、投資家がすべきことは、自身のリスク許容度に合わせて、リスク資産(株式ポートフォリオ)と無リスク資産(国債や預貯金)を組み合わせることであり、それによって最適な資産の組み合わせ(=効率的ポートフォリオ)を決めることが可能となります。
たとえば・・・
リスク許容度に応じて、次のような資産配分で全資産のリスクをコントロールすることが出来ます。
- ローリスク&ローリターンを好む人は、全資産を全て無リスク資産(国債や預貯金)で保有する。
- ミドルリスク&ミドルリターンを好む人は、全資産を無リスク資産とリスク資産(株式ポートフォリオ)を組み合わせて保有する。
- ハイリスク&ハイリターンを好む人は、全資産をリスク資産で保有する。
1990年ウィリアム・シャープ氏の論文
理論的に最も効率的なポートフォリオを証明。
ランダムに動く株式の組み合わせ(=株式ポートフォリオ)の値動きは、個別銘柄ごとの値動き(アルファ=α)と市場感応度(株式市場の平均株価に対する敏感度=ベータ(β))の2つの要素で決まることを証明したもの。
さらに、株価はランダムに動く(誰も株価を正確に予測できない偶然のゲーム(=効率的市場))と仮定すると、
- すべての投資家が持つ株式(ポートフォリオ)を合計は、市場に存在するすべての株式の時価総額になります。
- 合理的な投資家は、効率的市場では、同一のポートフォリオを保有することになります。
- 合理的な投資家が保有する「最も効率的なポートフォリオ」は、「市場に存在するすべての株式を、市場に存在する割合(時価総額の加重平均)」だけ保有したものになります。
「現代ポートフォリオ理論」の注意点
「市場そのものに投資する」ことが、唯一絶対の効率的な株式ポートフォリオであったとしても、この手法で資産を増やすためには、長期的に「市場全体の期待リターン(=経済成長)」がプラスであることが必要です。
今のところ、株式市場全体は「期待リターン」がプラスで推移しています。
もちろん、短期的には年間の値動きはマイナスに振れることもありますが、長期的には「期待リターン」はプラスに推移すると私は信じています。
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まとめ
いかがでしたか?
資本主義社会の世界は、複利の力で自己増殖する活動なので、人類がこの活動を続けている限り、長期的には世界市場は拡大(世界経済は成長)し、世界の株式市場全体の期待リターンもプラスになることが予測できます。
かみ砕いて解説してきましたが、実践するのは非常に簡単です。
「現代ポートフォリオ理論」に基づく「経済学的に正しい投資方法」
全世界の時価総額加重平均(平均株価指数=インデックス)に連動するファンドに投資することです。
(=全世界株式インデックス・ファンドに投資する。)
全世界株式インデックス・ファンドへの投資は、長期的な世界経済の拡大から富を獲得する投資と言えます。
つまり、全世界株式インデックス・ファンドへの投資は、長期的には「期待リターン」がプラスになることが期待できます。
また、リスク資産(株式ポートフォリオ)に無リスク資産(国債や預貯金)を組み込むことで、私たちの全資産のリスクコントロール(最も低いリスク&最も高い期待リターンを得ること)が可能になります。
【私たち個人投資家がすべきこと】
自身のリスク許容度に合わせて、リスク資産(全世界株式ポートフォリオ)と無リスク資産(国債や預貯金)の資産配分を決めることです。
始めるのは簡単な資産運用ですが、続けるのは非常に難しいと思っています。
また、資産運用は自己責任と言われているとおり、孤独な継続を求めらるのも事実です。
しかし、このブログでは私自身が実践していること、皆さんに伝えたいことをベースに今後も様々な情報を発信してきたいと思っています。
この記事が、皆さんの資産形成のお役に立てれば幸いです。
では、良い資産形成を!
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参考書籍
この記事では、論文の他、次の参考にしています。
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