【新NISA対応!】子ども2人分の教育費(約1,200万円)を、20年かけて準備する方法を解説!(再現性あり!)
前回の記事では、子ども1一人分の教育費(約600万円)を「老後のお金とは別に、15年かけての準備する方法」を解説しました。
今回は、「20年かけて子ども2人分を教育資金(約1,200万円)を準備する!」という早め早めに備えたいご家庭向けに、その方法を解説します。
- 子ども2人分の教育資金(約1,200万円)を、20年かけて準備したい!
- でも、月5.0万円(年間60万円)も現金で積立貯蓄できない!
最後までご覧いただき、資産運用のヒントにしていただければ幸いです。
前提条件を確認!
資産運用を始める前に、投資の目的とその方法を確認します。
今回の目的と方法は次のとおりです。
【目的】
子ども2人分の教育費用(=大学進学費用)を、20年で約1,200万円準備したい。
(約5万円/月(約60万円/年)を20年間現金貯金すれば準備できるが、そんな余力がない!)
【方法】
夫婦どちらか1人分の”新NISA”を活用し、リスクをとって運用する!
「リスク運用:現金=(50:50)=600万円:600万円」を目標とする。
5つのステップで約1,200万円を目指す。
(1)前半10年間は、積極的なリスク運用する。
(2)後半10年間は、リスクを減らすために現金貯金を増やす。
(3)全体の運用リターンは、2.0%を超える運用を目指す。
(4)全体の運用リスク(▲23%)、最大損失額は▲219万円。
(5)投資対象は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とする。
積立金額の設定(家計状況によって金額を変えます) → 元本合計:1,000万円
・1~5年目:月3.3万円→年40万円(5年で200万円)
・6~10年目:月5.3万円→年64万円(5年で320万円)
・11~20年目:月4.0万円→年48万円(10年で480万円)
「NISAって、何??」という方は、次の記事を確認してください。非常にお得な制度でぜひ活用してください。
5つのステップについて、シミュレーションを行っています。
子ども1人につき、教育費用(大学進学費用)=約600万円が必要な理由は割愛します。
(前回の記事を確認してください。)
教育費用を準備するポイントは、次の2点でしたね!
① 教育費用はインフレしやすい!
② 私立理系大学4年間:約600万円
直近はあまり上昇していない印象を受けますが、教育費用はインフレしやすい傾向があります。
今後も、年率:0.5%~1.0%のインフレが続くと考えておくと無難です。
また、下表から分かるとおり大学卒業まで、私立医歯科系を除いて、だいたい600万円もあれば学費部分は、十分対応可能です。
いざ実践!シミュレーションの結果!
必要なお金を準備するためには、次の3つの方法があります。
教育費用のような決まった時期に、決まった金額を準備する場合は、「リスクを取らずに、貯蓄することが無難」です。
今回は、①と②を組み合わせ、20年で準備する方法を紹介します。
この方法は再現性は非常に高く、投資に関するテクニックはほぼ不要です。
一方、株式市場の状況に大きく影響を受けますので、その点はご留意ください。(株式市場によっては、損失が発生し、③の方法で資金を準備する必要が生じます。)
積立金額については、前半の1年目~5年目は保育園などの出費が重いと考えられますので、つみたてNISAの3.3万円/月の拠出を目標にします。
子どもが小学生に上がる6年目~10年目は、出費が相対的に減る+収入が増えることを想定して、頑張って+2万円/月(5.3万円/月)の積立を目指します。
11年目以降は、出費が増えることを想定して、4万円/月の現金貯金を目指します。
【積立金額の推移】
積立金額の設定→ 元本合計:1,000万円
・1~5年目:月3.3万円→年40万円(5年で200万円)
→ 子どもが保育園時代=積立額は3.3万円/月を目指す!
・6~10年目:月5.3万円→年64万円(5年で320万円)
→ 子どもが小学生時代=貯め時!積立額は+2万円/月増やす!
・11~20年目:月4.0万円→年48万円(10年で480万円)
→ リスク資産の拠出を止め、現金比率を高める!
(1)前半10年間は、積極的なリスク運用する。
全世界株式インデックスの過去実績から、「リスク:20%、リターン:4%」として計算します。
まずは、運用期間を長く確保するために、前半10年間の積極的につみたてNISAを活用します。
運用方法は、愚直に毎月積立投資です!
10年間積立投資した後は、目標金額の600万円を超えるまで、ほったらかしでOKです。
(2)後半10年間は、リスクを減らすために現金貯金を増やす。
後半10年間は、ゴールを目指してリスクを段階的に減らすため、貯蓄のメインを現金貯金に回し、銀行口座に積み立てます。
(1)、(2)の運用の結果は次のようになります。
- 前半10年間は、運用期間を長く確保するため積極的なリスク運用!
- 後半10年間は、ゴールに向けてリスクを減らす運用に切り替える!
- リスク運用で600万円まで増えたら、解約し現金で保有する!
全体としてリスク運用と無リスク運用で、600万円ずつ準備します。
20年間の運用の結果は?
リスク運用の結果は、次のようになります。
(今回はつみたてNISAを活用して運用したので、含み益に対して非課税です。)
20年間フルで運用することも可能ですが、今回の目標金額はリスク運用で約600万円です。
株式市場の状況にかかわらず、目標の600万円までお金が増えたら、即解約します。
今回はシミュレーションどおり、15年目で600万円まで増えたと想定します。
もちろん、株式市場の状況によっては、15年目でも600万円まで増えていない可能性もあります。
その場合は、引き続きほったらかしにして、600万円になるまで放置しましょう!
- 元本:400万円
- リスク:20%、リターン:4%(複利運用)
- 15年目:608万円(損益:+208万円)で解約(→残り5年間は、現金で保有)
- つみたてNISAは含み益に対して非課税 → 手取り:100%
- 手取り:608万円
(3)全体の運用リターンは、2.0%を超える運用を目指す。
20年間の運用の結果
(1)+(2)=(608万円+600万円)=1,208万円となり、
目標の約1,200万円準備することができました。
全ての元本1,000万円を20年間運用し、手取り1,208万円まで増えた場合、
全体としてどれだけのリターンをられたかを計算する方法が、(表3)です。
結論は、年率:約2.3%程度で運用できたことが分かりました。
教育費用は、年率:0.5~1.0%程度インフレが想定されるんだったね!
年率:約2.3%なら、十分インフレに対応して運用できたことが分かります。
(4)全体の運用リスク(▲23%)、最大損失額は▲219万円。
この方法で考慮すべきことは、リターンだけではありません。
最大損失額もしっかり把握しておきましょう。
計算方法は割愛しますが、(表4)の一番右側を見てください。
これは各年で、「コロナ・ショック級」の株式市場の暴落が発生した時に、発生しうる最大損失額を示しています。
運用額が大きくなる後半ほど、損失額が大きくなることが分かります。
今回は、リスク運用で600万円まで増えたら、即解約→現金化することにしています。
その直前で暴落に見舞われた場合、約219万円も損失が発生する可能性があります。
仮に15年目に「〇〇ショック」が発生したら、一気に219万円減ることになります。
だからこそ、最後までリスク運用せずに、目標金額である600万円まで貯まったら、解約して現金で保有すると、より確実性は高くなります。
この不確実性(リスク)を受け入れられるなら、この方法は再現性の高い方法です。
繰り返しますが、必要なお金を準備するためには、次の3つの方法しかありません。
仮に②で失敗した場合に備えて、リカバリーできる方法を準備しておきましょう!
例えば、①の積立額を増やす(倹約や副業、夫婦共働き)、③借りる(奨学金) or もらう(児童手当)などが考えられます。
児童手当は、子ども一人につき、生まれてから~中学卒業までの15年間で、約200万円給付されるので、損失の補填に十分活用できますね!
キーワードは「児童手当は、全額現金貯蓄する!」です。
(5)投資対象は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とする。
最後は、想定した「リスク:20%、リターン:4%」を達成しそうな投資対象の紹介です。
(1)でもお伝えしたとおり、「リスク:20%、リターン:4%」は、全世界株式指数(MSCI オール・カントリー・ワールド・指数)の過去実績からリターンを少なめに見積もったものです。
この指数に連動する投資信託は、「eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー)」などがあります。
詳しくは、楽天証券のHPをご確認ください。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C000H1T1
今のところ、迷ったら「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、OKです。
まとめ
「20年かけて子ども2人分を教育資金(約1,200万円)を準備する!」という早め早めに備えるたいご家庭向けに、その方法を解説しました。
教育費用のような決まった時期に、決まった金額を準備する場合は、「リスクを取らずに、貯蓄することが無難」です。
今回紹介した方法は、再現性は非常に高く、投資に関するテクニックはほぼ不要ですが、株式市場の状況に大きく影響を受けますので、その点はご留意ください。(場合によっては、損失が発生します。)
具体的には次のとおりです。
【目的】
子ども2人分の教育費用(=大学進学費用)を、20年で約1,200万円準備したい。
(約5万円/月(約60万円/年)を20年間現金貯金すれば準備できるが、そんな余力がない!)
【方法】
夫婦どちらか1人分の”つみたてNISA”を活用し、リスクをとって運用する!
「リスク運用:現金=(50:50)=600万円:600万円」を目標とする。
5つのステップで約1,200万円を目指す。
(1)前半10年間は、積極的なリスク運用する。
(2)後半10年間は、リスクを減らすために現金貯金を増やす。
(3)全体の運用リターンは、2.0%を超える運用を目指す。
(4)全体の運用リスク(▲23%)、最大損失額は▲219万円。
(5)投資対象は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とする。
積立金額の設定(家計状況によって金額を変えます) → 元本合計:1,000万円
・1~5年目:月3.3万円→年40万円(5年で200万円)
・6~10年目:月5.3万円→年64万円(5年で320万円)
・11~20年目:月4.0万円→年48万円(10年で480万円)
20年間運用した結果は、次のようなシミュレーション結果(表4)となります。
元本:1,000万円が、1,208万円まで増える可能がある一方、最大219万円減る可能性があります。
この不確実性(リスク)を受け入れられるなら、この方法は再現性の高い方法です。
繰り返しますが、必要なお金を準備するためには、次の3つの方法しかありません。
- 自分で用意する(収入-支出)
- 運用する(資産×利回り)
- 借りる or もらう
仮に②で失敗した場合に備えて、リカバリーできる方法を考えておくのをおススメします。
例えば、①の積立額を増やす(倹約や副業、夫婦共働き)、③借りる(奨学金) or もらう(児童手当)などが考えられます。
童手当は、子どもが生まれてから~中学卒業までの15年間で、約200万円給付されるので、損失の補填に十分活用できますね!
20年という長期の時間とつみたてNISAを活用すると、ゆとりある準備が可能となります。
この方法で、子ども2人分の教育資金(約1,200万円)を準備するのは、再現性が高く、積立投資を続けるだけで誰もが実現できる可能性を秘めています。
ぜひ後悔のない、資産運用を行ってください!
参考図書を紹介します
教育資金の準備方法が詳しく解説されています。
インデックス運用では、次の書籍が参考になります。
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